はじめまして!むぎちゃんのカブログです。
サンバイオ(4592)というバイオ株が世間を賑わせています。そんなサンバイオですが、2019年初頭にサンバイオショックと言われる株価大暴落を引き起こします。そして2019年終わりに第二のサンバイオショックを巻き起こしました。
サンバイオショックとは何か?バイオ株の怖さとは?
本記事では、サンバイオショックにまつわる株価上昇から大暴落までを時系列でまとめています。またサンバイオショックから分かるバイオ株の怖さと教訓をご紹介しながら、サンバイオの今後の株価を考えてみます。
サンバイオショックから分かることは、今後の株式投資に必ず役に立つはずです。本記事も備忘録としてまとめています。
「2019年はサンバイオに始まり、サンバイオに終わる」
それでは、早速みていきましょう!
Contents
サンバイオ(4592) 株価上昇
サンバイオ(4592)という会社
まずは簡単にサンバイオという会社についてまとめてみます。
ホームページから会社概要を抜粋しました。従業員数は連結で43名、単体では8名ほどの会社で、東証マザーズに上場しています。
また2019年12月14日現在、時価総額は2,146憶円となっています。
サンバイオが開発している、再生細胞医薬品「SB623」という薬が株価上昇のきっかけとなりました。
再生細胞医薬品「SB623」とは
・患者が元々持っている「神経が再生する能力」に対して、SB623が働きかけて、患者の脳を回復するというメカニズム
・おもに脳梗塞や外傷性脳損傷に効果があるとされている
今まで人間の脳を再生させる薬はなく、この薬が画期的な新薬となるのではないかという期待から、「夢の薬」と呼ばれているようです。
再生細胞医薬品「SB623」による株価上昇
再生細胞薬「SB623」が外傷性脳損傷対象の試験で主要評価項目を達成した!
というIRが11月初旬に発表されたところ
株価は4連騰し、一気に7,000円台へ。この脳損傷の試験でいい結果が出たということは、脳梗塞の試験でもいい結果が出るのではないか?という思惑も膨らんでいきました。ちなみに、医療用医薬品として国に承認されるためには、適応症ごとに第1相〜第3相臨床試験をクリアしていかなければならないというルールがあるようです。今回はその第2相試験でいい結果が出たということですね。
第1相試験
・健常者に対して、試験薬を少量から投与し、安全性や動態などをチェックする。動物実験を受けて、人に適用する最初のステップ
第2相試験
・比較的軽度な少数例の患者を対象に、安全性や動態などをチェックする。探索、検証の両ステップ
第3相試験
・当該薬品が使用されるであろう実際の患者を対象に、安全性や動態などをチェックする最終ステップ
また、大日本住友製薬(4506)とも共同研究を行っており、期待で大きく買われていきます。大日本住友製薬はサンバイオの株式を約6%も保有している大株主になります。
時価総額もみるみる大きくなり、3,000憶~4,000憶円にもなっていました。もし脳梗塞に効く薬となれば、日本のみならずアメリカをも巻き込んだ大市場になるとの期待があったものと思われます。当然、この薬を待つ患者も多くいたことでしょう。
その後、当該試験結果が米国の医学誌に取り上げられたり、国内証券会社がレーティングを上げたりしながら、とうとう株価は、12,000円を一時超えるところまできていました。時価総額も5,000憶円を超え、マザーズトップに躍り出たのです。
個人投資家はサンバイオに陶酔し、現物投資ならいざしらず、信用取引二階建てをしている人までいたようです。
この後予想だにしない発表があるとは知らずに・・・
第一のサンバイオショック ~株価大暴落~
再生細胞医薬品「SB623」による株価大暴落
2019年1月29日の引け後
再生細胞医薬品「SB623」がフェーズ2b臨床試験について、主要評価項目を達成できなかったというIRが発表されました。安全性に問題はなかったが、有効性が認められなかったということです。これまで脳梗塞が治るんではないか、ということで株価上昇していった期待が根底から覆されました。
このIRを受けて株価は・・・
4連ストップ安!
衝撃的な展開となりました。Twitterでは、悲観的なコメントが多く、掲示板はあれに荒れていました。
これがいわゆる『サンバイオショック』と言われる現象になります。買い手がいませんので、強制決済しようにも出来ない、追証発生、借金と負のスパイラルを巻き起こしました。
一時は12,000円付近であった株価は、一気に2,000円台へ。これがバイオ株の怖さでもあります。過去にはアキュセラやそーせいといったバイオ株もこうした急転直下を演出しております。
夢や期待のあるバイオ株ですが、こうした事態があることは絶対に認識しておくべきでしょう。くれぐれも信用取引全力や二階建てなどしないことです。
大暴落から株価は徐々に回復
再生細胞医薬品「SB623」が「先駆け審査指定制度」対象品目に指定
株価が大暴落し、2,000円台になったサンバイオですが、その後どうなったのでしょうか。
2019年4月8日に
再生細胞医薬品「SB623」が「先駆け審査指定制度」対象品目に指定された
というIRが発表となり、株価はストップ高へ。
「先駆け審査指定制度」とは
・世界に先駆けて日本で開発され、早期の治験段階で著明な有効性が見込まれる革新的な医薬品について、優先審査をする制度
この制度を使って、国内での承認申請を頑張るぞ!という発表であったわけです。まだまだ諦めていないです。
そして株価は
一時4,780円をつけ、多少は戻ってきました。しかしながら、大暴落の爪痕は大きくその後上昇は出来ていません。
現物ホルダーも塩漬けしている人がいることでしょう。
徐々に戻っていくことを期待していたそんな折、2019年12月13日に衝撃的な発表がありました。。。
第二のサンバイオショック ~株価大暴落の第二章?~
サンバイオと大日本住友製薬、脳梗塞向け再生細胞薬の共同開発を中止
2019年12月13日引け後
サンバイオと大日本住友製薬、脳梗塞向け再生細胞薬の共同開発を中止
という衝撃的なIR発表がありました。。。
再生細胞薬「SB623」の慢性期脳梗塞の共同開発を中止すること、そしてサンバイオと住友製薬の間で締結された共同開発およびライセンス契約を解消することで合意したとのことです。
提携解消したということは、大日本住友製薬は今後の研究で有意義な結果は得られない、そう判断したということでしょうか。なお同社が持っているサンバイオの株式は現段階では売らない、と発表しているそうですが、どうなることやら・・・
この結果を受けて、本記事執筆の14日現在株価は、PTS(夜間市場取引)ではストップ安の3,445円となっています。
どこまで売られるのか。。。
サンバイオの今後の株価は?
数々の事件を起こしてきたサンバイオの今後の株価はどうなるのでしょうか。
赤字のバイオベンチャーであり、再生細胞医薬品「SB623」の治験結果も芳しくない、かつ大日本住友製薬との提携解消とネガティブニュース連発であるにも関わらず時価総額は、2,000憶円を超えています。
ちょうど最近テンバガーを達成した、「ホープ」という会社の時価総額はたったの147憶円(2019年12月14日現在)です。
サンバイオは、時価総額が高すぎます。バイオ株は期待で買われるので赤字でもあるいはといったところでしょうが、その期待すら薄くなった今、どこまで株価は売られるのでしょうか。
月足チャートをみてみると、あの第一のサンバイオショックでつけた2,401円というラインに下値抵抗線がありそうですね。まずはここで下げ止まるかというラインです。ただしこのラインでも時価総額は1,200憶円弱となります。
そこを下回ってしまうと、次はだいたい1,000円のところですね。時価総額は500憶円弱となります。
サンバイオの今後の株価は、まずは下値抵抗線の2,400円、次いで1,000円あたりになります。よほどの好材料がない限り、一旦はこのあたりを目指すのではないでしょうか。
サンバイオショック まとめ
いかがだったでしょうか。
「2019年はサンバイオに始まり、サンバイオに終わる」
サンバイオという会社が起こしたサンバイオショックから分かる教訓をまとめてみます。
サンバイオショックから学べる教訓
・バイオ株は夢と期待で買われるが、期待を失った時の下落も想定すべし
・バイオ株での信用取引(特に全力買い)はしない
バイオ株には夢がある反面、とんでもないリスクもあります。そうしたリスクもしっかりと認識した上で投資をするべきでしょう。
本記事が参考になれば幸いです。
2019年12月16日からのサンバイオの株価に注目していきましょう。
なお本記事は個人の見解であり、投資は自己責任でお願いいたします。